テキスト/サルシカ隊長 写真/写真師マツバラ(松原 豊)
この「カンパイ!」の図。
いったい銭湯企画で何度トップを飾ったであろうか。
本当は銭湯の企画ではなく、銭湯に入ったあとどこでどう飲むか。
それがメインの企画ではないかと自分たちでも思う。
銭湯大好き。
でもお酒も大好き。
まあ、そんなオッサンたちがやっている企画なので仕方がない。
それにしても。
熊野のみはま湯はいい銭湯であった。
地元の人に愛され、守られている裸の社交場であった。
そこでしっかりと身体を温め、心も気分もほかほかしながら、熊野の夜の街へと歩み出た。
静かな夜の街を歩く。
ふらりと立ち寄った店で、店主やお客さんと話しながら笑いながら飲んで食べる。
これもこの銭湯企画の醍醐味なのだ。
あてもなくふらふらと歩いていたら、風に揺れる赤ちょうちんを発見。
店の中からにぎやかな声が聴こえる。
人通りの少ない通りにポツンとあるお店。
でもお客さんが多い。
うん、これは絶対にうまくていい店に違いない!
5人のオッサンはそう確信に満ちてうなずきあい、店へと入る。
ずらりとカウンターに並んだ地元のお客さん。
ずらりと壁に並んだメニュー。
いいぞいいぞ。
入口近くの小上がりが空いていたのでそこに案内していただく。
落ち着くではないか。
まだ何も注文していないのにテンションばかりが高まっていく(笑)。
メモ帳に注文の品と数を書いて注文。
こういう時はメンドーとか言わない。
合理的でいいじゃないの。
てなわけで、さっそく出てきたのがマグロのせせり。
喉の部分である。
マグロの喉とは一体どこなのだ、と思うが、まあ細かいことは言わない。
まず食う。
「・・・・・・・!!!!!」
みんな口に入れて数秒後にひょっとこ顔になる。
口をぱくぱくする。
あうあうと意味不明の言葉を発する。
うまい。
うまいのだ!!
まったく臭みがなく、口に入れた時は淡白なのに、あとでしっかりとした味わいが残る。
「あたりだ!」
写真師がムヒヒと笑っていう。
もうここから節度と常識を失って注文した。
飲みまくった。
ここの店はどれもこれもうまかった。
そして安かった。
日本酒もいい酒を揃えている。
たまらんではないか。
ビール、ハイボールからしっかりと日本酒へシフトし、1時間もすればもうこの通り。
すっかり出来上がり(笑)。
最後に若い店主と記念撮影。
さて、こちらのお店の情報を書いておこう。
■赤ちょうちん てんまる
住所:〒519-4323 三重県熊野市木本町696-79
電話:0597-70-4190
休み:日曜日
隊長であるワタクシは諸事情により糖質カットな食事をしている。
だから、さっきの「てんまる」でも、魚や野菜はわしわし食べたし、お酒もハイボールや焼酎はぐいぐい飲んだけれど、ごはんなどの炭水化物やビールは、鉄の意志で一切口にしなかったのである。
したらば!!
みんなは2軒目に行こうというのである。
しかも!!
「やっぱり隊長のためにここはラーメン屋かお好み焼き屋だよなあ、いひひひひ」
と、いじわるをするのである。
が、そんな都合よくラーメン屋やお好み焼き屋が見つかるわけないと思って歩いていたら、ひょっこりとお好み焼き屋が現れたのである。
おおお、神よ!!(笑)
そこは不思議なお店であった。
暖簾をくぐって入ると、カウンターと鉄板ありのテーブルが数個並んでいる。
ちょっと狭い感じ。
「5人なんですけど、いいっすか〜」
と、お店の人に声をかけると、「奥へどうぞ〜」と案内された。
座敷でもあるのかと思ったら、なんとそのまま次のお店が登場・・・みたいな感じなのだ。
つまり、
普通のお好み焼き屋さんの奥にスナック風のお好み焼き屋さんがあるって感じか。
なぜスナック風かというと、こんなカウンターと酒棚があるから。
不思議だけれど、なんだか落ち着く(笑)。
ここで、ワタクシ以外のみんなは、お好み焼きや焼きそばを食べた。
あれだけ1軒目で食べて飲んだのにここで粉物にいくとは!!
ワタクシは鉄の意志でコンニャク炒め。
もつの煮込み!
こんなオッサンどもの誘惑には負けはしないのだ!!
などとバカ騒ぎしつつ大いに飲んでズブズブに酔っ払っていく。
でもいいのだ、きょうは宿があるのだから、ワハハ。
ここでお店の情報。
お店のつくりも変わっているが、名前も変わっているのだ。
■モリーナ熊野路
営業:17:00-23:30(L.O.23:00頃)
定休:毎週水曜
住所:三重県熊野市木本町479-4
[主なメニュー]※テイクアウト可
お好み焼き:ぶた玉、いか玉、えび玉、ミックスなど(\500-\950)
焼きそば:ぶた、えび、いか、牛すじ、ミックスなど(\500-\800)
鉄板焼き:ぶた巻き、トマトチーズ巻き、野菜炒めなど(\300-\600)
他、ラーメン、ご飯モノなど
こうして熊野の銭湯めぐりは終わった。
駅までいっしょに歩き、そこで宿舎に戻るウッディ山本を見送って宿に戻った。
そのあとの記憶はない(笑)。